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今回のコラムでは、お客様から愛され続けるカメラマン、タナカタツヤ氏を迎え
AKAGANE RESORTのプランナーとの対談形式で、彼の想いやお客様との絆について深く掘り下げます。
【登場人物】
T:タナカタツヤ
A:AKAGANE RESORTプランナー
1.ファインダー越しに見つめる、二人が生きていた「熱量」
A: まず、カメラマンになられたきっかけから伺ってもいいですか?
T:全然ポジティブな理由じゃなくて、人見知りだったから、なんですよね(笑)
A: え!絶対嘘ですよね(笑)人見知りに見えないです!
T: いやいや本当なんです。二十年もやってるからそうやってみんな言うんですけど、本当に私、接客業をやったことなくて。
状況で変わるというか、答えが一つじゃないのが嫌だったんですよ。同じことやっても、お客さんの態度とかモチベーションとか気持ちに左右されてくるじゃないですか。
でも、このままだと良くないなと思って。もともとアパレルを二年くらいやってたんですけど、その仕事だと人と接する時間が本当に無くなっていくことに危機感を感じて、辞めました。
A: そこからどんなきっかけでカメラに?
T: 一年くらい、貯金がなくなるまで何もしないと決めた時期があったんです。
その時期に写真も仕事になるらしいという話を聞いて、どうせなら「熱量のある写真」をやってみたいなと思ったんですよね。
父のカメラが何個かあったんで、ちょっと触ってみたら、ファインダーの雰囲気がすごいってなって、違う世界が見えて、絵を描くとかじゃなくて、シャッターを押すだけで違う世界にもっていってくれる感じがしたんですよね
A: 「熱量のある写真が撮りたい」っていうのが、すごくキーワードだなと思ったんですけど。
T: 写真って、極論を言えば「生きている証」だと思うんです。当時見た雑誌で戦場の写真を見たんですね。
それこそ今はこの世にいない、その時生きていた命が、写真には残るじゃないですか。そしてそれは、関係性がきちんと築けたからこそ撮れる写真だと思うんですね。
そういう本気の写真が撮りたい。結婚式も大人の本気のぶつかり合いだからこそ、続けられてると思います。
A: そんな本気の写真を撮るために気を付けていることってありますか?
T: 邪魔にならないこと。オペレーションのことではなくて、ふたりの写真に私は要らないじゃないですか。
写真が苦手な人もいるので、私がカメラマンとして存在していたとしても、普段と何も変わらない状態にすることが一番だと思います。結婚式って思いもよらない事が起きるときもある、でもそれが自然だし、好き。だからきっと、自然な写真を残してほしいって言われる事が多いんだと思います。
A: 「おふたりが自然にいられるように」って、よくプランナーと話してますよね。
T: はい。私に興味はなくていいんです。
A: なるほど。「邪魔にならない」という言葉は奥が深いですね。

2.「人見知り」のカメラマンが、家族の懐に潜り込むまで
A:おふたりの自然体を知る上で、お打合せではどんな話をしているんですか?
T: 家族構成は絶対聞きますね。家族はどんな存在なのか。生まれて一番接する大人は親だから、家族の影響力は圧倒的に強い。
仲が良いか悪いかとかもですけど、どういう人間形成なのかが知りたいので、お互いの共通言語は?とか、ちゃんとその感謝伝えてる?とかは、必ず聞くようにしてますね。
そうするとパーティーが、ただのコンテンツではなくて、ちゃんと伝える時間にした方がいいんじゃない?って話になることも多くて。
実は、親への手紙や友人の手紙などもすべて、内容を事前に聞いて全部把握してることが多いんですよ。そうやって気持ちを知っている人に撮られる方が絶対にいいと思ってます。
どちらかというと写真の話はしないですね。
A: だからこそ、おふたりの空気感が表れた写真が撮影できるんですね。タナカさんと話してて急に泣き出しちゃうお客さんも多いですよね。あれ、何をしてるんですか?
T: 何もしてない、何もしてないよ(笑)でも、僕自身が超コンプレックスがあるタイプだからかな。
否定された経験もあるし、僕自身が反抗的だったり存在意義を感じられなかったりしたことも多くって。
でも、この仕事を長くする中で出会った人たちが「そのままでいいんじゃない?」って言ってくれるようになって、今はだいぶマシになった。
A: その経験があるから、おふたりの心の内を代弁できるのかもしれませんね。
T: 例えば「自分ばっかり頑張ってる気がする」って悩んでる新婦さんがいたとして、僕が旦那さんと喋った感じでは「この人は想いがない人じゃないよ。
言葉にするのに時間がかかるタイプなだけ」って話をしたりする。そうすると、「分かってくれた」って安心感で泣いちゃうのかもね。
A: 占い師に近い感覚ですよね、きっと。否定をしないというか、全部を受け入れてくれる感じ。
T: 昔は全てを否定から入ってたぐらいなんですけどね(笑)でも他人同士、何十年も違う生き方をしてきたわけやし。否定されるのは嫌じゃないですか。
「この人なら大丈夫」って思ってもらわないと、おふたりの本当の顔は撮れない。おふたりのことを否定しちゃうと、結果写真の質に関わってくると思うんです。
例えば好きな音楽がヒップホップと言われたとして、似合わないとか、印象にないってことじゃなくて、その人にとってどういうものなのかを聞くのが大事だと思ってる。
A: 実際、現場で「こっち向いて」って言わないですよね。1人のゲストみたいに友達と話しながら、いつの間にか1000枚くらい撮ってる。
T: 昔よりテクノロジーのおかげで、覗かなくても撮れるようになったのは大きいかも。「撮ってますよ!」って構えると、撮られてる方も、身構えて緊張しちゃうから(笑)。
最近は、人の顔を見て撮るより、話を聞いて撮ることが増えたかな。「あ、この話の流れ、この後に笑いが来るな」って予感でシャッターを切る。
A: だから、会話のピークの瞬間が残るんですね。
T: ゲストともめっちゃ喋りますよ。30人とかの少人数の時は、普通に混ざって喋る。そうするとゲストが肯定的になってくれるから。
この前も、親戚のカラオケにまで混じって(笑)。でも、そういう距離感じゃないと撮れない写真に価値があると思ってるんです。
A: まさに「家族の専属カメラマン」ですね。
T: 前に働いていたところでも言われていたんですが、結婚式の写真は、新しい家族を作る時の「一枚目」ですから。
それを続けていけたらありがたい。親御さんが背伸びして見てる顔とか、そういうのを残してあげたいんです。「自分はこんなに愛されてたんだ」って分かるような写真を。


3.「一生の付き合い」になるということ
A: 田中さんの話を聞いていると、もはや「結婚式のカメラマン」という枠を超えて、家族の専属カメラマンみたいな距離感ですよね。
T: そうですね。ありがたいことに、結婚式の後もずっと縁が続くことが多いんです。この前なんて、お客さんの実家がある丹波篠山まで行ってきましたから。
A: ご実家まで行かれたんですか?
T: そう。お父さんやお母さんにも会いたかったし、何より当日は式に来られないおじいちゃんに、一瞬でもふたりの晴れ姿を見せてあげたかった。
その後、家まで送ってもらって、僕の愛犬のヨルにも会ってもらったりね。
A: 撮影の依頼というより、もう親戚の集まりみたいですね。
T: 「人の縁が繋がっていく」ことで仕事をしている感じがして、本当にありがたいです。
A: それだけ信頼されているからこそ、ずっと関わっていたいと思えるんでしょうね。
T: ……実は、新郎さんが亡くなられてお葬式に行ったこともあります。僕より全然年下でね。彼女は「写真を撮ったら、旦那さんがいなくなってしまいそうで怖くて頼めなかった」って。
でも亡くなった後に「やっぱり家族写真を残しておけばよかった」と。その後、東京に戻った彼女とご飯を食べたりもしましたけど、そういう関係性もまた、僕にとっては大切なんです。
A: 楽しい時だけでなく、人生の苦しい時も寄り添う。
T: 結婚式は、新しい家族を作る時の「最初の一枚目」。そこから運動会、発表会、そしていつかの日常。
親御さんが背伸びしてわが子を撮ろうとしている、その必死で温かい姿を、僕が横からちゃんと残してあげたい。
「自分はこんなに愛されてたんだ」ってことが後から分かるような写真を、一生かけて撮り続けていきたいですね。
A: 私も「愛が見える瞬間」に立ち会うと毎回涙があふれてきますし、タナカさんの写真を見ると感情が引き込まれて、涙が出そうになるんです。
私たちAKAGANE RESORTも「一日だけど一生のこと」というコンセプトを掲げていて、ふたりの人生に向き合う想いは一緒なんです。
大切にしている想いが重なっているからこそ、一緒に創り上げていくことができるんだなと感じて嬉しくなりました。
――「私の写真じゃない、二人の写真を」。その想いが、実際のお客様の元でどのような感動を呼んでいるのか。
後編では、実際のお客様から届いたメッセージと共に、さらに深いエピソードに迫ります。
後編の公開も、お楽しみにお待ちくださいませ。
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